マーケティング戦略

「STP分析とは?」という疑問に、分かりやすく答えます!

この記事は、下のようなSTP分析に関する疑問を持つ方におすすめです。

こんな方におすすめ

  • 「マーケティングのSTP分析の意味を知りたい!」
  • 「STP分析のそれぞれの内容をちゃんと知りたい!」

マーケティングを専門に研究するものの立場から、「STP分析の意味」「STP分析の詳しい内容」をわかりやすく説明します。

5分間で、STP分析については、網羅することができるはずです。

 

STP分析とは?

STP分析の意味

STP分析とは、セグメンテーション(市場細分化)・ターゲティング(標的市場の決定)・ポジショニング(自社製品の位置づけの決定)の3つの施策段階の英単語の頭文字をとって名付けられた分析手法です。

つまり、STP分析とは、

市場をある基準によって細分化して(セグメンテーション)、細分化した市場の中から自社が標的とする市場を決定し(ターゲティング)、その標的市場で自社製品の競争優位性を設定する(ポジショニング)ことが重要であるという考え方

を指します。

 

この分析手法は、マーケティングの神様と称されるアメリカのマーケティング研究者フィリップ・コトラー氏が考案したもので、彼は、STP分析を「市場を効果的に開拓していくための手法」として紹介しています。

 

STP分析と他のマーケティング施策との関係

STP分析は、「B+STP+M」という考え方と合わせて用いられることが多いです。つまり、

  1. 自社の事業領域を設定し、(B:ビジネス・ドメイン)
  2. 市場細分化→標的市場の決定→自社製品の位置づけの決定をし、(STP)
  3. マーケティング諸活動を市場に向けて行う。(M:マーケティング・ミックス)

という流れでマーケティングを行うことが重要であると言われています。

ビジネス・ドメインとマーケティング・ミックスについては、別の記事で詳しくご紹介します。

 

STP分析の詳しい内容

セグメンテーションとは?

セグメンテーションでは、ある軸にしたがって、市場を細分化していきます。

市場細分化の軸は、主に

人口動態的特性軸(デモグラフィック変数)

社会心理的特性軸(サイコグラフィック変数)

の2種類に分けられます。

 

前述したマーケティング研究者のコトラーとアームストロングは、細分化された市場が適切であるかどうかを判断する際には、

測定可能性(細分化された市場の規模が測定可能かどうか)

到達可能性(細分化された市場に容易にマーケティング活動を届けられるかどうか)

維持可能性(細分化された市場の規模が利益をあげられるほど大きいかどうか)

実行可能性(効果的なマーケティング活動を実行可能かどうか)

の4つが満たされているかどうかをチェックすることが重要であると説いています。

 

人口動態的特性軸について

人口動態的特性軸には、年齢、性別、学歴、所得、職業、居住地域などがあります。たとえば、性別については、アパレル、化粧品などの製品分野において、購買する製品やその嗜好などに明らかな違いがあるので、性別を市場細分化の軸として設定することが有効であると言えるでしょう。

人口動態的特性軸に関するデータは、国勢調査といった、すでにあるデータを利用でき入手が容易であるため、市場細分化にコストがかからないことも特徴といえるでしょう。

 

社会心理的特性軸について

社会心理的特性軸には、消費者のパーソナリティ、価値観、ライフスタイル、興味関心などがあります。消費者の価値観が異なれば、購買する製品や嗜好に違いがあるでしょう。財布を買うときに、「ただお金やカードが持ち運べればいい」と考える人と、「ポールスミスの長財布でなきゃ嫌だ」と考える人の違いが存在するのは、それぞれの持つ価値観が違うからなのです。

社会心理的特性軸に関するデータは、すでにデータが存在するわけではなく、消費者調査を行わなければ入手できないため、市場細分化にコストがかかることが特徴といえるでしょう。

 

ターゲティングとは?

ターゲティングでは、セグメンテーションで細分化した複数の市場のどの部分を自社の標的とするかを決定していきます。

この手法は、主に

フルカバレッジマーケティング(非差別型マーケティング)

差別型マーケティング

集中型マーケティング

の3種類に分けられます。

フルカバレッジマーケティングについて

細分化したそれぞれの市場の違いを特に考慮せずに全ての市場に同じ製品・マーケティング活動を提供する手法です。経営資源が豊富に存在する大企業に適した手法といえます。

差別型マーケティングについて

細分化したそれぞれの市場の違いを考慮してそれぞれの市場に適した製品・マーケティング活動を提供する手法です。それぞれの市場に対応できるような技術と経営資源を持つ企業に適した手法といえます。

集中型マーケティングについて

ひとつもしくは少数の市場に標的を絞って、その市場に適した製品・マーケティング活動を提供する手法です。経営資源を集中させる必要のある小規模企業に適した手法といえます。

 

ポジショニングとは?

ポジショニングでは、ターゲティングで決めた標的市場に対して、競合他社との違いをアピールし、自社の製品を買ってもらうように、自社の位置づけを決定していきます。

ポジショニングでは、ポジショニングマップといわれる、画像のような、「消費者が心のなかで思っている競合他社の製品と自社の製品の位置関係」を作成して、自社の製品をどの位置にポジショニングするかどうかを決定していきます。(画像のポジショニングマップは、安さと品質という二つの軸に基づいて、マクドナルドとモスバーガーの位置関係を示しています。)

 

 

もちろん、このポジショニングマップは、消費者のデータがなければ、作成することができません。なので、

  1. たくさんある製品の評価軸の中から、どういった軸を抽出すべきか(画像だと、「価格」と「品質」のふたつです。)
  2. 決定した軸に対して、競合各社の位置関係はどのようになっているか(画像だと、マクドナルドが「低品質安価」、モスバーガーが「高品質高価」と認識されています。)

という2つの事柄を、消費者データを利用して決定して、ポジショニングマップを作成します。

 

まとめ

これまで説明してきたように、STP分析は、

市場をある基準によって細分化して(セグメンテーション)、

細分化した市場の中から自社が標的とする市場を決定し(ターゲティング)、

その標的市場で自社製品の競争優位性を設定する(ポジショニング)

という3つの段階で構成されています。

 

そして、自社の事業領域が決定した後に、「どのように市場を開拓していくか」という問題を効果的に解決してくれるとても重要なフレームワーク(考え方)です。

適切なSTP分析を行うことが、事業の成否を大きく左右するでしょう。

 

  • この記事を書いた人

サッポロん

都内の大学院で、マーケティング、特に消費者行動論(さらにその中でもeWOMというオンライン口コミ行動)に関する研究をしています。「日本は、マーケティング後進国だ」という野次を跳ねのけたいです。

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